042-701-1871
対応時間
平日 10時~17時00分
定休日
土・日・祝日

成年後見制度を利用する場合の注意点/井上雅彦法律事務所

井上雅彦法律事務所 > 相続 > 成年後見制度を利用する場合の注意点

成年後見制度を利用する場合の注意点

高齢化や認知症の進行により、成年後見制度の利用を検討される方が増えています。

この制度には法定後見と任意後見の2種類があり、それぞれ申立てのタイミングや手続き、注意すべきポイントが異なります。

本記事では、成年後見制度を利用する際に知っておくべき注意点について、法定後見と任意後見それぞれの特徴を踏まえながら解説します。

法定後見における後見人選任の注意点

法定後見制度では、成年後見人等の選任を家庭裁判所が行います。

申立書に家族や親族を後見人候補者として記載しても、必ずしも希望通りの人物が選任されるとは限りません。

裁判所は本人の利益を最優先に判断するため、本人の財産状況が複雑な場合や親族間で意見の対立がある場合には、弁護士や司法書士などの専門職が第三者後見人として選任されるケースが多くあります。

また、第三者後見人が選任された場合、その報酬は本人の財産から支払われることになります。

報酬額は家庭裁判所が本人の財産状況などを考慮して決定します。

事前に専門家に相談しておくことで、費用面の見通しを立てることが可能です。

判断能力の程度に応じた申立ての重要性

法定後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3つの類型があります。

本人の状態に応じて適切な類型を選択する必要があります。

後見は判断能力がほとんどない状態、保佐は判断能力が著しく不十分な状態、補助は判断能力が不十分な状態に対応しています。

それぞれの類型によって、家庭裁判所が付与する権限である代理権や同意権、取消権の範囲が民法上明確に定められています。

後見の場合は日常生活に関する行為を除くほぼすべての法律行為について代理権と取消権が認められますが、保佐や補助ではその範囲が限定されます。

申立ての目的が不動産の売却なのか、預貯金の管理なのか、あるいは介護契約の締結なのかによって、必要となる権限が異なるため、目的に合った適切な類型での申立てが必要です。

判断を誤ると、せっかく申立てをしても必要な権限が得られず、再度の手続きが必要になる可能性もあります。

判断能力が十分なうちに契約を結ぶ必要性

任意後見制度は、本人の判断能力が十分にあるうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ後見人となる人と契約を結んでおく制度です。

任意後見契約に関する法律に基づき、契約は必ず公証役場で公正証書によって作成する必要があります。

公正証書で作成することで、契約内容の正確性と本人の意思確認が担保され、将来的なトラブルを防ぐことができます。

判断能力が低下してからでは任意後見契約を結ぶことはできず、その場合は法定後見制度を利用するしかありません。

そのため、将来に備えて早めに準備することが重要です。

契約内容の自由度と専門的調整の必要性

任意後見契約では、後見人に委任する事務の範囲を自由に設定できます。

財産管理や身上監護に関する事項を、本人の希望に応じて柔軟に定めることが可能です。

しかし、将来的にどのような支援が必要になるか、どこまでの権限をカバーすべきかという線引きは非常に難しく、専門的な知識と経験が求められます。

契約内容が不十分だと、いざというときに必要な支援が受けられないリスクがあるため、弁護士などの専門家と相談しながら慎重に設定することが重要です。

任意後見における受任者の監督とサポート体制

任意後見契約では、受任者を家族や親族にすることも可能ですが、たとえ家族であっても事務処理が不適切になったり、後見業務を懈怠したりするリスクがあります。

任意後見契約は、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時点で効力が発生します。

任意後見監督人は、受任者が適切に業務を行っているかを監督する役割を担い、定期的に報告を求めたり、必要に応じて家庭裁判所に報告したりします。

この監督体制は任意後見契約に関する法律によって定められており、本人の権利を守るための重要な仕組みとなっています。

まとめ

成年後見制度には法定後見と任意後見の2種類があり、それぞれに異なる注意点があります。

法定後見では、後見人の選任が家庭裁判所の判断に委ねられることや、本人の判断能力の程度に応じた適切な申立てが必要となる点に留意が必要です。

一方、任意後見では、判断能力が十分なうちに公正証書で契約を結ぶことや、将来を見据えた契約内容の設定、受任者の業務を適切に監督する体制を整えることが重要です。

いずれの制度を利用する場合でも、本人や家族の状況、目的に応じた適切な選択と準備が求められます。

成年後見制度の利用を検討される際は、専門的な知識と経験を持つ弁護士に早めに相談することを検討してください。

井上雅彦法律事務所が提供する基礎知識

  • 家族信託のメリットとデメ...

    ■家族信託のメリット家族信託には、以下のようなメリットがあります。 まず、本人の状態に関係なく、財産の管理処分...

  • 交通事故によるむちうちが...

    交通事故によってむちうちを受け、その症状が治らない場合どのような請求ができるでしょうか。むちうちは、交通事故で首に強い力...

  • 相続放棄ができないケース...

    相続が発生し、被相続人の借金など負の財産が多い場合などでは、こうした財産を引き継がないために相続放棄を行うことがあります...

  • 相続財産に借金があった際...

    相続財産に借金があることが判明し、借金があるなら相続したくないという場合は法的手続きを行うことで相続権を放棄できます。こ...

  • 面会交流権

    「面会交流権」とは、お子様と離れて暮らしている親が、お子様と会うことや連絡を取ることなどを指す権利です。上記以外にも、お...

  • 個人再生したら車は手放さ...

    個人再生とは、債務者が借金を返済しきれなくなった場合に、裁判所に申し立てることで謝金を大幅に減額してもらい、その債務を原...

  • 遺留分の割合と遺留分額の...

    相続に関する重要な権利として「遺留分」があります。遺言で財産のすべてを誰かに譲ると決めても、法定相続人には最低限の相続分...

  • 慰謝料・損害賠償

    ■慰謝料・損害賠償 交通事故における損害賠償の対象になる損害は、人身事故では大きく「財産的損害」と「精神的損害」の2つに...

  • 債務整理(個人再生、自己...

    個人再生や自己破産の債務整理を行う場合、開始手続の申立書にいくつかの書類を添付して、裁判所に申立てを行う必要があります。...

  • 離婚前に別居をするメリッ...

    別居は、離婚の手続きを進めていく上で重要な意味を持ちます。 別居していたという事実は、婚姻関係の破綻の重要な要...

よく検索されるキーワード

代表弁護士紹介 「 一期一会 」

井上弁護士の写真
代表弁護士
井上雅彦(いのうえ まさひこ)
ご挨拶

ひとつひとつの出会いを大切にし、皆様が抱えている問題に対し、法律的見地から、よりよい解決ができるよう力を尽くしております。

お気軽にご相談下さい。

略歴

昭和41年生まれ

東京大学法学部 卒業

平成12年10月 神奈川県弁護士会登録

平成12年10月 井上雅彦法律事務所開設

平成25年 9月 東京地方税理士会登録

取扱い民事事件
  • 相続(遺産分割、遺留分減殺、遺言等)
  • 成年後見
  • 夫婦関係(離婚、親権、養育費、慰謝料、財産分与等)
  • 交通事故(物損、後遺症、死亡事故等)
  • 債務整理(任意整理、過払い請求、破産、個人再生等)
  • 不動産(家賃滞納、借地権等)
  • 医療過誤、契約書作成、契約書チェック
  • その他民事事件一般
沿革

平成12年10月 事務所を開設

平成17年6月 北口に事務所を移転

事務所概要

事務所紹介

当事務所は、小田急線相模大野駅徒歩1分の場所に位置しております。

ご来所される方は相模原市内を始め、町田市、小田急線沿線にお住まいの方など幅広い地域の方々から、ご相談、ご依頼をお受けしております。かつて依頼をお受けした方からのご紹介も多く、皆様より信頼をいただいております。最近の傾向としては、遺産分割、成年後見、交通事故、離婚等の事件の取扱いが増えております。

かかりつけのお医者様「ホームドクター」のように、法律のスペシャリスト「ホームローヤー」として皆様のお役に立つことができますようにと願っております 。

事務所名 井上雅彦法律事務所
代表者 弁護士 井上 雅彦
所在地 〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野3-14-9 IL CIELO B・E号
アクセス 小田急線 相模大野駅 より徒歩1分
電話番号/FAX番号 042-701-1871 / 042-701-1813
営業時間 平日10:00-17:00
定休日 土曜・日曜・祝日
相模大野駅の看板

ページトップへ