離婚の種類はいくつある?
離婚を考えている方にとって、どのような離婚の種類があるのか知ることが重要です。
離婚の方法によって手続きや期間、費用が大きく異なるため、自分に合った方法を選ぶ必要があります。
本記事では、離婚を種類別に詳しく解説していきます。
離婚の種類は6つ
離婚には大きく分けて6つの種類があります。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 審判離婚
- 裁判離婚
- 和解離婚
- 認諾離婚
それぞれ詳しく見ていきましょう。
協議離婚
協議離婚は、夫婦間の話し合いで合意の上で行う離婚方法です。
裁判所を介さずに進められるため、最も一般的な離婚の形式となっています。
協議離婚のメリット・デメリット
協議離婚は手続きが比較的簡単で費用が安く、裁判所を介さずに対応できる点が大きな魅力です。
お互いの合意がある状態であれば、比較的短期間で離婚が成立する可能性があるので、新しい生活に早い段階で移れるメリットもあります。
協議を行って離婚の手続きを進めるため、お互いの意思を尊重して進められる夫婦にとってはメリットのある手続きです。
一方、お互いの意思が食い違っているような場合には、解決が困難になりなかなか離婚が成立しないようなことも考えられます。
また協議離婚の場合には本人同士の話し合いが基本となるため、法的な知識が少ない、全くないような場合には一方からの不利な条件を飲まされるようなリスクもあります。
協議離婚は互いの信頼関係が保たれている場合に適していますが、慎重に進める必要があります。
調停離婚
調停離婚は、家庭裁判所の調停委員を交えて話し合いを行い、合意に至る離婚方法です。協議離婚で合意できない場合に選択されることが多いです。
離婚調停の流れ
離婚調停は専門家のサポートを受けながら話し合いを進めるもので、一般的な流れは以下の通りです。
- 調停の申立て
- 第1回調停期日
- 話し合いの継続(複数回)
- 合意形成
- 調停調書の作成
- 離婚届の提出
調停離婚のメリット・デメリット
調停離婚のメリットは、中立的な立場の第三者が介入するため、法律の知識のあるなしに関わらず公平な解決を期待できる点です。
専門的な知識を持つ調停委員が仲裁し、必要に応じてアドバイスをもらえる点もメリットがあります。
また調停の内容には法的拘束力が生じるため、取り決めたことをお互いに守ってもらいたい際には有用だといえるでしょう。
調停離婚のデメリットは、協議離婚に比べて時間や費用が必要になってくる点です。
調停の場に複数回にわたって出頭し、調停委員とも同席して話し合いを行う必要があるため、合意形成までに時間が必要なことも考えられます。
審判離婚
審判離婚は、家庭裁判所の裁判官が審判で離婚の可否を決定する方法です。
必ずしも調停不成立後にのみ行われるわけではなく、当事者の一方が正当な理由なく調停に応じない場合などにも、直接審判に移行することがあります。
審判離婚の流れ
審判離婚は裁判官が双方の主張を聞いた上で判断を下すもので、一般的な流れは以下の通りです。
- 調停不成立または直接審判の申立て
- 審判への移行
- 審問手続き
- 裁判官による審理
- 審判の告知
- 審判の確定
裁判離婚
裁判離婚は、裁判所で審理を行い、判決によって離婚の可否を決定する方法です。
もっとも時間と費用がかかりますが、法的な判断が必要な場合に選択されます。
裁判離婚するためには法定離婚事由が必要
裁判離婚を申し立てるために必要な、民法で定められた法定離婚事由は以下の通りです。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 強度の精神病で回復の見込みがない
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
裁判離婚の特徴
裁判離婚は、他の方法では解決が困難な場合の最終手段として位置付けられています。
裁判離婚では証拠に基づいた審理が行われ、判決に法的拘束力が付帯します。
判決に不服がある場合には上訴(控訴・上告)が可能であり、親権、財産分与、慰謝料などの離婚に付随する問題に関してもどちらの主張が正しいのか裁判官に判断してもらうことができます。
裁判離婚のメリット・デメリット
裁判離婚のメリットとしては、法的な判断が明確に示され、また相手の同意がなくても離婚が成立する可能性があるため、正当な事由があってどうしても離婚したい場合にはメリットがあります。
裁判離婚のデメリットとしては、時間と費用が他の手段以上にかかる場合があり、精神的負担が大きい点が挙げられます。
また審理は公開の法廷で行われることになるため、プライバシーの面が守られにくいこともデメリットです。
和解離婚
和解離婚は、裁判離婚の手続き中に当事者間で合意が成立し、裁判所の和解調書によって離婚が成立する方法です。裁判の途中でも柔軟な解決が可能となります。
裁判所が和解を好むこともあって、和解離婚は裁判離婚の終結方法として最も多いものとなっています。
和解離婚は裁判官の関与のもと合意形成ができ、また裁判よりも早期解決が可能な方法となります。
また和解内容に法的拘束力がある点も特徴です。
なお、和解離婚は厳密には「離婚の種類」というよりも、裁判離婚の過程で生じる離婚の成立方法とも考えられます。
認諾離婚
認諾離婚は、裁判離婚の手続き中に被告が原告の離婚請求を認めることで成立する離婚方法です。
裁判所が認諾調書を作成し、これにより離婚が成立します。
認諾離婚は被告が離婚に同意することで成立します。
裁判の途中でも迅速に離婚が成立しますが、裁判までもつれている場合にはあまり選択されない種類でもあります。
認諾調書に法的拘束力があるため、裁判を早期に終結させた後でも判決を得たことと同じ効果が得られます。
和解離婚と同様に、認諾離婚も厳密には「離婚の種類」というよりも、裁判離婚の過程で生じる特殊な離婚成立方法とも考えられます。
まとめ
本記事では、離婚の6つの種類について解説してきました。
協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚、和解離婚、認諾離婚はそれぞれ特徴が異なり、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
離婚を考えている方は、これらの方法のメリット・デメリットを理解した上で、必要に応じて弁護士などの専門家に相談し、自分に合った離婚の方法を選ぶことをおすすめします。