建物明け渡し・立ち退き
借地借家法においては、家主が借家契約の更新を拒否したり、解約申し入れしたりするためには、家主が自らその建物を使用することを必要とする場合その他正当の事由があるということが必要になります。
以下では、正当事由を具体的に見ていきます。
■建物の使用を必要とする事情
この点は、正当事由の主たる要素であると考えられています。家主の使用の必要性が借家人に比べて極めて高ければ、立退料なしに正当事由が認められる可能性がありますが、そうでない場合には、正当事由が認められないことが多くなっています。立退料の提供と合わせて正当事由が認められることもあります。
■借家に関する従前の経過
借家契約の締結に至った経緯、賃料の額、支払い状況などが考慮されます。例えば、契約当初は一時使用目的であった、家主の強い好意から安い賃料で賃借していた、家賃滞納が多かった等の事情が認められれば、正当事由が認められやすくなります。
■建物の利用状況および建物の現況
建物の利用状況や建物の物理的現況、老朽化の程度等が考慮されます。
建物があまり利用されていない、老朽化していて建て替えの必要性がある等の事情が認められれば、正当事由が認められやすくなります。
■財産上の給付(立退料)の提供
以上の事情だけでは正当事由を認めるのに足りない場合には、立退料を提供することで、補完できる場合があります。
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