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離婚が成立したときの調停調書について/井上雅彦法律事務所

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離婚が成立したときの調停調書について

調停によって離婚が成立した際には、調停調書と呼ばれる書面を作成します。

調停調書には法的な効力があり、トラブルが発生した際には調停調書をもとに対応できます。

この記事では、離婚時に作成される調停調書について解説します。

調停離婚

当事者だけでの話し合いで離婚がまとまらなかった場合、家庭裁判所の夫婦関係調整調停を利用して離婚の話し合いをすることが可能です。

調停委員が夫婦双方の話を聞きながら、離婚の合意や条件について話をまとめていきます。

調停離婚をする際には、不貞行為など法律で定められた離婚事由がなくても構いません。

有責配偶者から調停を申し立てることも可能です。

ただし、調停離婚の合意後に不服申し立てを行うことはできません。

調停離婚の成立

調停が成立すると調停調書が作成されます。

調停成立時点で離婚は成立しますが、その事実を市区町村役場へ届け出なければ戸籍に離婚の事実が反映されません。

そのため、調停成立後10日以内に離婚届と調停調書謄本を役場へ提出する必要があります。

万が一提出期限を過ぎてしまうと、5万円以下の過料を科せられる可能性もあります。

謄本は通常、請求から1週間ほどで手元に届きますが、10日以内に届かない場合にはその旨を役場へ説明し対応してください。

調停調書について

調停調書は確定判決と同じ効力があり、記載されている内容すべての権利や義務が記載内容通りに確定します。

相手が記載されている内容に従わない場合には、裁判所に申し立てを行い、強制執行することも可能です。

そのため調停調書を作成する際には、内容をしっかりと確認し、万が一納得できない部分がある場合には合意しないことも必要です。

調停調書の作成

調停調書は裁判所の書記官によって作成されます。

調停成立の事実や合意内容が記載され、当事者もその内容を確認したうえで作られます。

作成された調停調書は、あとから内容を変更できません。

間違った内容が記載されていると、取り決め通りの対応を相手に求められなくなってしまうため、慎重に確認する必要があります。

調停調書の効力

相手が調停調書に記載された内容を守らないこともあります。

そのような時には、家庭裁判所へ履行勧告の申し立てをすることで、相手へ取り決めを守るよう説得してもらうことが可能です。

また養育費など金銭の支払いに関しては、履行命令を申し立てることで、支払期日を定めて履行するよう命じてもらえます。

正当な理由なく履行命令に従わない場合には過料が科せられることもありますが、差し押さえのような強制的に従わせる力はありません。

 

強制的に取り決めを守らせる方法として、強制執行があります。

強制執行では相手の財産を差し押さえ、強制的に支払わせることが可能です。

また面会交流など金銭を伴わない取り決めについても、履行しない場合に金銭の支払いを課す方法により、履行を促します。

強制執行を行うには、申し立ての際に調停調書の正本を提出しなければいけません。

正本は家庭裁判所へ請求することで入手できます。

調停調書作成時の注意点

強制執行の手続きを行うには、調停調書に具体的な内容が記載されていなければいけません。

たとえば財産分与の場合、対象財産が金銭の場合には金額や支払い方法などを記載しておく必要があります。

対象財産が不動産など名義変更の必要な物である場合には、名義変更の方法も記載が必要です。

双方が協力して名義変更の登記を行う旨を記載することで、相手にその取り決めを履行するよう求められます。

 

また面会交流について強制執行を行うには、次の内容が具体的に記載されている必要があります。

 

  • 面会交流の日時や頻度
  • 面会交流時間の長さ
  • 子の引き渡し方法

 

たとえば基本的な日時や頻度を定めていても、「最初は1時間程度から、本人の様子を見ながら徐々に面会交流時間を延長する」などと面会交流時間を不特定にしてしまった場合、強制執行が認められない可能性があります。

そのほか、慰謝料や養育費についても、万が一の際に強制執行できるよう支払方法や支払期日などを具体的に記載しなければいけません。

 

また相手方からのDVにより、現在の住所などを知られたくない場合には、秘匿制度を活用できます。

裁判所へ申し立て、秘匿が決定すると、閲覧させたくない情報に代替事項を記載できます。

まとめ

この記事では離婚時の調停調書について解説しました。

調停調書に記載された内容は法的な効力を持ち、それをもとに相手方へ取り決めを守るよう促すことや強制執行することが可能です。

そのため、内容を確認する際には十分注意しなければいけません。

必要事項が全部盛り込まれていると思っていても、強制執行するための条件を満たしていない可能性があります。

内容の確認には専門的な知識があると安心です。

調停による離婚をお考えの際には弁護士までご相談ください。

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井上雅彦(いのうえ まさひこ)
ご挨拶

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お気軽にご相談下さい。

略歴

昭和41年生まれ

東京大学法学部 卒業

平成12年10月 神奈川県弁護士会登録

平成12年10月 井上雅彦法律事務所開設

平成25年 9月 東京地方税理士会登録

取扱い民事事件
  • 相続(遺産分割、遺留分減殺、遺言等)
  • 成年後見
  • 夫婦関係(離婚、親権、養育費、慰謝料、財産分与等)
  • 交通事故(物損、後遺症、死亡事故等)
  • 債務整理(任意整理、過払い請求、破産、個人再生等)
  • 不動産(家賃滞納、借地権等)
  • 医療過誤、契約書作成、契約書チェック
  • その他民事事件一般
沿革

平成12年10月 事務所を開設

平成17年6月 北口に事務所を移転

事務所概要

事務所紹介

当事務所は、小田急線相模大野駅徒歩1分の場所に位置しております。

ご来所される方は相模原市内を始め、町田市、小田急線沿線にお住まいの方など幅広い地域の方々から、ご相談、ご依頼をお受けしております。かつて依頼をお受けした方からのご紹介も多く、皆様より信頼をいただいております。最近の傾向としては、遺産分割、成年後見、交通事故、離婚等の事件の取扱いが増えております。

かかりつけのお医者様「ホームドクター」のように、法律のスペシャリスト「ホームローヤー」として皆様のお役に立つことができますようにと願っております 。

事務所名 井上雅彦法律事務所
代表者 弁護士 井上 雅彦
所在地 〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野3-14-9 IL CIELO B・E号
アクセス 小田急線 相模大野駅 より徒歩1分
電話番号/FAX番号 042-701-1871 / 042-701-1813
営業時間 平日10:00-17:00
定休日 土曜・日曜・祝日
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