株やFXで多額の借金ができた場合
株やFXは、多額の利益を受けることができる反面、多額の借金を負う可能性も非常に高く、ハイリスクハイリターンであるといえます。
もし株やFXで多額の借金を負ってしまった場合、債務整理によって借金を減らす、または返済免除をしてもらうことが考えられます。
■債務整理の利用
債務整理の方法として、任意整理、個人再生、自己破産の3つが考えられます。株やFXなど、ギャンブル性の強い投資等の原因によって借金を負った場合であっても、債務整理を利用することはできます。
返済期限の延長や将来利息のカットにより完済が可能であるなら任意整理、完済は難しいが減額されれば支払える場合は個人再生、返済が難しい場合は自己破産、といったように、それぞれの制度のメリット・デメリット及び自身の状況に応じて選択します。
もっとも、裁判所に返済義務を免責してもらう「自己破産」をする場合には、問題となる場合があります。
■自己破産をする場合の問題点
自己破産は、本来支払うべき借金を、裁判所に申し立てることにより、全額の支払い義務の免責をしてもらう制度です。このように、債権者の利益を犠牲にして債務者を救済する強い効果を持っているため、自己破産においては、免責が不許可となる「免責不許可事由」が破産法252条1項によって定められています。この免責不許可事由に該当すると、自己破産の手続きを経ていたとしても、免責が許可されないこととなります。そして、株やFX取引は、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」(破産法252条1項4号)の「その他の射幸行為」にあたり、原則免責が不許可となってしまいます。
もっとも、免責不許可事由がある場合でも、裁判所の裁量によって免責が許可される場合があり(同法同条2項)、これを裁量免責といいます。裁量免責は、その投資につぎ込んだ金額や取引の態様、反省度合い等を総合的に考慮して判断されます。裁判官にもよりますが、初めての自己破産の場合であれば、よっぽど悪質でない限り、裁量免責が認められることが多いです。
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