債務整理中でも生活保護の受給はできる?
借金を抱えているうえ、収入も少なく、日常生活を行っていくことが困難である場合、債務整理と生活保護という2つの手段による救済を求めていきたいと思われる方も多いかと思います。
債務整理と生活保護は同時に行うことができるのでしょうか。
債務整理とは
債務整理とは、多くの借金を抱えて支払い不能状態となった際に、借金の減額や免除、支払い猶予によって、債務者の経済状況の立て直しを図る手続きのことをいいます。
債務整理には、大きく分けて、①債務者・債権者間で手続きを進めていくものと、②裁判所の介入によって手続を進めていくものとがあります。
①には任意整理が、②には破産手続、個人再生手続、特定調停が含まれます。
生活保護とは
生活保護とは、生活に困窮する国民に対して、厚生労働省が行っている福祉的制度のうちの1つで、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度です。
生活保護の受給は、世帯単位で行い、世帯全員が資産の運用や可能な限りでの労働、年金や各種手当の受給などを行っていることが前提となっています。
生活保護手続きは、福祉事務所への相談、保護の申請、調査、支給の順に進んでいきます。
債務整理中でも生活保護の受給はできる?
上述の通り、生活保護と債務整理は異なる制度趣旨を有するものであることから、債務整理中であっても生活保護を受給すること自体は妨げられません。
もっとも、繰り返しとなりますが、生活保護は健康で文化的な最低限度の生活ができない方のための制度であり、借金の返済資金を提供するための制度ではありません。
そのため、生活保護によって受給した金銭を借金の返済に充てることは禁止されています。
よって、上述の場合と反対に、生活保護の受給中に債務整理を行うことは、生活保護によって受給した金銭を借金の返済に充てているのではとの疑いを生じさせるものとなり、刑事告訴をされるリスクを高める行為となりますので注意が必要です。
債務整理をお考えの方は井上雅彦法律事務所にご相談ください
今回は、債務整理と生活保護との関係について解説していきました。
井上雅彦法律事務所では、債務整理に詳しい弁護士が在籍しています。
お困りの方はお気軽に一度ご相談ください。