相続財産の調査方法と費用について
遺産を相続するときには、専門家に依頼する費用を削減するために自分で調査したい方もいらっしゃると思います。
今回は、相続財産の調査方法と費用について解説します。
相続財産の調査とは
相続財産とは、被相続人が亡くなったときに保有していた財産のことです。
被相続人が亡くなった場合には、法定相続人が誰なのか特定し、故人にどのような遺産があるのか調べることを相続財産調査と言います。
財産調査をしなかったときのリスク
財産調査をしなかったときには以下のようなリスクが伴います。
遺産分割協議が終わった後に新たな遺産が見つかった場合は、再び遺産分割協議を行わなければならず、何かと手間と時間がかかります。
相続税の申告後に遺産が見つかった場合は、申告漏れとして過少申告加算税や延滞税が課せられることがあります。
財産隠しや意図的に過少申告したなど、税務署が悪質と判断した場合は罰則が科せられる恐れもあるので注意してください。
相続財産の調査方法
基本的に相続財産の調査は相続人1人で行えます。
ただし、原則として貸金庫などの調査は、すべての相続人の同意がなければ開封できないのでご注意ください。
また、相続財産を調査するときには、以下の書類を事前に用意すると調査がスムーズに進みます。
- 被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本
- 被相続人と相続財産の調査を行う相続人との関係性がわかる戸籍謄本
- 相続財産の調査を行う相続人の身分証明書
預貯金の調査方法
預貯金の調査は、以下の点に気をつけながら行われます。
- 被相続人がどこの金融機関を利用していたのか
- 自宅にある金融機関の通帳やキャッシュカードを調べる
- 通帳などが見つからないときは金融機関から送付された郵便物や手紙を調べる
- ネット銀行を利用して可能性もあるので携帯電話やパソコンのメールも確認する
銀行であれば全国の支店を調べてもらえるため、故人から聞いていない支店が見つかる可能性があります。
不動産の調査方法
家屋や土地などの不動産の調査では、不動産の所在地を特定します。
所在地の確認には以下の方法があります。
- 固定資産税の納税通知書や登記済権利証で確認する
- 預金通帳の取引履歴から探す
- 不動産の所在している市区町村役場に「名寄帳」を申請する
名寄帳とは、不動産に関する納税対象者の不動産と所有者をリスト化したものです。
不動産の地番と家屋番号を特定したら、法務局に登記事項証明書を申請して不動産の抵当権や持ち分を確認します。
不動産に関するすべての情報がそろった時点で不動産の評価額を調べます。
有価証券の調査方法
有価証券の場合は、証券会社を特定するために以下の点を調べます。
- 口座開設の書類やメール
- 証券会社から送られてきた郵便物やメール
また、ネット証券の場合は、書類ではなくメールでやり取りしているケースが多く、携帯電話やパソコンなどを注意深く調べてください。
証券会社を特定できたら、該当する証券会社に連絡して「残高証明書」を発行してもらいます。
マイナス財産の調査方法
相続財産は、プラス財産(預貯金など)だけでなく、マイナス財産(借金や負債)も含まれます。
マイナス財産は以下の方法で調査します。
- 「信用情報機関」に情報開示を求める
- 貸金業者からの督促状や明細書を探す
- 消費者金融のキャッシュカードや利用明細書を探す
信用情報機関とは、加盟している銀行、クレジット会社、貸金業者が保有する個人の支払能力に関する情報収集・管理・提供を行っている機関です。
代表的な機関は以下の3社です。
- 株式会社シーアイシー(略称:CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(略称:JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(略称:KSC)
被相続人の借金や負債を確認し、相続人が借金を支払うのであればマイナス財産を相続します。
しかし、プラス財産からマイナス財産を差し引いて、マイナス財産の方が多い場合は相続放棄も検討しましょう。
相続財産調査にかかる費用相場
相続財産調査にかかる費用相場は、業種によって以下のように異なります。
- 弁護士:10万円~30万円程度
- 税理士:相続財産総額の0.5~1%程度
- 司法書士:10万円~30万円程度
- 行政書士:数万円程度~
- 銀行:100万円程度~
基本的に弁護士事務所などでは自由報酬となっており、個々の事務所でそれぞれ費用が異なります。
まとめ
今回は、相続財産の調査方法と費用について解説しました。
相続財産の種類によって調査方法は異なります。
また、調査するには面倒な手続きや業者とのやり取りが必要です。
自分で調査する時間がないときや調査が困難な場合は、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。