症状固定のデメリット|後遺障害認定との関係性は?
交通事故によって重い怪我を負ってしまい治療を続けている方の中には、相手方の任意保険会社から症状固定を急がされている、あるいは治療費を打ち切ると言われているが症状固定にしなければならないのだろうか、といった不安をお抱えの方もいらっしゃるかと思います。
本稿では、症状固定を早期に行うことのデメリットと後遺障害等級認定との関係性についてご説明していきます。
症状固定とは
症状固定とは、交通事故で負った怪我について、これ以上治療しても症状が改善しない、事故前と同じ状態には戻らないと判断された状態のことをいいます。
症状固定は、被害者の意見を聞きつつ主治医の判断によって行います。
なお、治療費や休業損害、入通院慰謝料などは事故によって負った怪我の治療過程に支払われる金銭であるため、症状固定が行われるとそれらの支払いは終了します。
そのため、症状固定後のリハビリや治療にかかる費用は、現状維持のために必要な場合以外、原則として被害者側が負担します。
また、症状固定には、後遺障害分に対する損害賠償請求権の消滅時効についての起算点となるという効果もあり、症状固定の翌日から5年が経過すると後遺障害分に対する損害賠償請求権は行使することができなくなります。
症状固定のデメリット
上述のとおり、症状固定とされることでその後のリハビリや治療にかかる費用は原則として自己負担です。
そのため、症状固定とされることそのもののデメリットというよりも、本来必要である治療を打ち切って早期に症状固定とされてしまうことは、自腹で治療を受けなければならなくなるといった面で、デメリットが生じるといえます。
さらに、症状固定を本来必要である治療を打ち切って早期に行ってしまうことで、後遺障害等級認定にも影響を及ぼすことも考えられます。
後遺障害認定との関係性
症状固定がなされた時点で、被害者が交通事故によって負った後遺障害の重さに関する判断が可能になり、これによって、後遺障害の重さを等級によって表す後遺障害等級の認定も可能になります。
被害者は、症状固定後、後遺症が残存した場合には、後遺障害等級認定を被害者請求や事前認定の方法で行います。
このとき、症状固定の時期が早すぎてしまうと、後遺障害認定の審査時に、治療には相当の期間を要しなかったなどと判断され、実際よりも軽い等級認定結果となったり、場合によっては後遺障害等級非該当の認定を受けてしまうというリスクが生じます。
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症状固定を本来治療が必要な期間よりも早期に行うことは、症状固定後の治療費の負担が自腹になるほか後遺障害等級認定にも影響を及ぼすことから、損害賠償額にも大きく影響してきます。
交通事故で身体的なダメージを負っている中で、相手方との交渉を自分で行うことは精神的な負担も大きいものです。
弁護士に依頼することで、負担の大きい相手方とのやり取りや手続きから解放され、自身は治療に専念することができます。
井上雅彦法律事務所では、交通事故に詳しい弁護士が在籍しています。
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