交通事故による脳挫傷|症状や後遺障害について解説
交通事故は一瞬の出来事でありながら、被害者に深刻な後遺障害を残すことがあります。
特に脳への直接的なダメージである「脳挫傷」は、命に関わる危険性が高く、後遺障害が残るケースも少なくありません。
今回は、交通事故による脳挫傷の主な症状や、考えられる後遺障害を解説いたします。
脳挫傷とは
脳挫傷とは、頭部に強い衝撃を受けたことで、脳そのものが損傷した状態を指します。
交通事故では、車同士の衝突や転倒などによって頭を強打し、頭蓋骨の内部で脳が揺さぶられることで脳挫傷となるケースは少なくありません。
脳震盪が一時的な機能障害であるのに対し、脳挫傷は症状も重篤化しやすいのが特徴です。
重大な外傷であり、後遺障害が残る可能性も高いため、事故後は早急に医療機関で検査・治療を受ける必要があります。
脳挫傷の症状
脳挫傷は脳の損傷部位や程度によって症状が大きく異なります。
事故直後から現れるものもあれば、時間が経ってから徐々に現れるものもあるため、注意が必要です。
代表的な症状は以下のとおりです。
症状 | 説明 |
運動機能の低下 | 手足のしびれ、麻痺、動かしづらさが生じる可能性があります。 |
めまいや頭痛、吐き気、嘔吐 | 脳の損傷が原因で発生する可能性があります。 |
けいれん発作 | 脳へのダメージが原因で発作を起こすことがあります。 |
言語や認知機能の障害 | 言葉が出にくい、会話が成立しにくい、記憶力の低下などの症状が現れることもあります。 |
意識障害 | 昏睡状態やもうろうとした意識が続くなど、重度の意識障害を伴うケースがあります。 |
単独で現れる場合もあれば、複数が同時に生じることもあります。
脳挫傷と後遺障害
後遺障害とは、交通事故などによって身体や精神に傷害を負い、治療を続けても完全には回復せず、生活や仕事に支障が残る状態です。
脳挫傷による後遺障害は、自賠責保険における「後遺障害等級認定」の対象です。
等級は症状の程度や日常生活への影響によって1級から14級まで区分され、重度な障害ほど高い等級が認定されます。
交通事故で脳挫傷を負った場合、後遺障害等級でも比較的重い等級が認定されやすいとされています。
脳挫傷によるダメージが、身体や精神に広範囲で深刻な影響を与えるケースが多いためです。
まとめ
交通事故による脳挫傷は、命に関わる危険があるだけでなく、後遺障害として長期的に生活へ影響を及ぼす可能性が高い外傷です。
症状は頭痛や吐き気などの軽いものから、記憶障害や麻痺といった重度のものまで幅広くあります。
もしご自身やご家族が脳挫傷の被害に遭われた場合は、医療機関での治療と並行して、交通事故案件に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。











